プロダクトマネジメントクライテリア - プロダクトをつくるチームのチェックリスト
🗒️

プロダクトマネジメントクライテリア - プロダクトをつくるチームのチェックリスト

プロダクトマネジメントを体系化したクライテリアです。企業がプロダクトを成功に導くために必要な要素を多角的かつ具体的に記載してあります。対象はプロダクトマネージャー個人ではなくプロダクトを取り巻くチームとし、プロダクトマネジメント全体をスコープにしています。

🎉 プロダクトの成功

image

プロダクトの成功には2つの要素があります。

  1. ユーザー価値と事業収益がバランスを取りながら最大化している状態
  2. ビジョンが実現できている状態

この2つを満たしたプロダクトの成功を実現するプロダクトマネジメントについて定義します。

🔄 プロダクトマネジメントのフロー

image

👆🏻2つのテーマ、5つのカテゴリ

プロダクトマネジメントには大きく2つのテーマがあります。

🎁 A. プロダクトをつくる仕事

👩‍👩‍👧‍👧 B. プロダクトチームをつくる仕事

そして、「🎁 A. プロダクトをつくる仕事」には大きく4つのカテゴリがあります。

  1. 明確なゴール設定
  2. 豊かな仮説構築
  3. 素早い仮説検証
  4. 市場への提供

そして、「 👩‍👩‍👧‍👧 B. プロダクトチームをつくる仕事」には以下が含まれます。

5. プロダクト志向な組織

✅ チェックリスト

このクライテリアは先述の2つのテーマ、5つのカテゴリに紐づく、各々5個、つまり合計25個のチェックリストからなります。プロダクトチームとして以下の項目を満たすことができているか、ご確認ください。

📊 25個のメトリクス

🎁1. 明確なゴール設定
  1. プロダクトチームの全員がプロダクトのビジョンを知っていて、自分の仕事がビジョンにどう貢献するのかを明文化できる
  2. ユーザー価値と事業収益の両方に責任を持っている担当者が存在し、責任を果たすことができている
  3. 企業の意思決定者であるステークホルダーの期待値が事業目標として言語化され、定量的に評価する仕組みがある
  4. プロダクトの長期的なロードマップが存在し、そのロードマップをプロダクトチームの全員が理解している
  5. プロダクトチームとして優先度の基準が明確化されていて、各施策の優先度がその基準で判断されている
🎁2. 豊かな仮説構築
  1. プロダクトチームの全員がプロダクトのターゲットセグメントを知っている
  2. 内部環境・外部環境が各々分析されており、他社が真似することが難しい自社独自のプロダクト戦略が構築できている
  3. これまで実施した施策の中にユーザーの要望はなかったが、今ユーザーに受け入れられている機能がある
  4. 自社に期待されているだけの収益を上げることができている、もしくは上げることができる仕組みがある
  5. ユーザーのプロダクトへの適応度合いをNPSなどを用いて計測していて、施策によっての変化を確認している
🎁3. 素早い仮説検証
  1. プロダクトのすべての施策には仮説があり、その仮説をユーザー調査により検証している
  2. 各施策がどのような仮説に基づいて構築されていて、どの仮説を検証する施策であるのかが明記されている
  3. プロダクトの指標となるNorth Star Metricが設定されていて、その達成度合いが可視化されている
  4. 新しい価値を提案するとき、プロダクトの価値は何か、その価値を検証するための最小の機能は何かが特定されている
  5. 各施策をリリースする際にはデータ分析の方法が合わせて検討されていて、効果測定が可能になっている
🎁4. 市場への提供
  1. ユーザーや市場に期待される品質やセキュリティレベルを理解して、その水準にあったプロダクトを提供できている
  2. 社内にユーザーデータの取り扱いに関するガイドラインがあり、適切なユーザー同意の元にユーザーデータが取り扱われている
  3. カスタマーサクセスの役割が存在し、ユーザーからの問い合わせに対する受動的な受け答えだけではなく、能動的な働きかけを実施している
  4. 3.3. 指標の可視化 で意図したNorth Star Metricを達成することができるだけのユーザーを獲得することができている
  5. 市場の声を定期的に拾う仕組みがあり、その結果が蓄積されている
👩‍👩‍👧‍👧5. プロダクト志向な組織
  1. 複数人のプロダクトマネージャーが1つのプロダクトに責任を持つのではなく、プロダクトが小さな粒度に分解され、その小さなプロダクトごとにプロダクトマネージャーが責任をもっている
  2. プロダクトチームに対して、心理的安全性の度合いを調査している
  3. このクライテリアの 1.明確なゴール設定 から 4. 市場への提供 までに記載された内容に関する成果物がドキュメントとして作成されており、プロダクトチーム全員が閲覧している
  4. プロダクトチームに対して、プロダクト志向度合いを調査している
  5. 定期的にふりかえりを目的とした場が儲けられており、その場自体の有効性が定量化されている
💡
notionで利用可能なチェックリストもご用意しております。 こちらからDuplicateして、みなさまのワークスペースでご利用ください。 🔗 プロダクトマネジメントクライテリア - チェックリスト

👀 各メトリクスの詳細を確認する

📘 参考書籍のご紹介

このクライテリアは書籍『プロダクトマネジメントのすべて』を元に作成しています。このクライテリアにかかれている内容の理解をより深めたい場合や改善方法を知るには、こちらの書籍を合わせてお読みください。

プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで | 翔泳社

Google、Microsoft、SmartNewsなどのプロダクト、 BtoCおよびBtoB領域で国内のみならずグローバル展開に 携わってきた百戦錬磨の著者陣が 日本とシリコンバレーのあらゆる知見を詰め込み書き上げた、 プロダクトマネジメントの決定版。 あらゆるモノがIT化する現代では、 プロダクトの成功を抜きに、ビジネスを語ることはできない。 事業戦略、IT開発、UXデザイン、マーケティング、 カスタマーサクセス、セキュリティ、知的財産、組織運営......。 何をどこまでおさえればいいのか? 本書はその海図となって、ビジネスを成功に導く。 プロダクトマネジメントに欠かせない 知識、スキル、方法論、マインドセットを網羅しているため ●新事業・新サービス開発 ●既存事業テコ入れ ●DX ●起業 ●スタートアップ にかかわるすべてのマネージャー、エンジニア、デザイナーにとっては 必読の完全保存版である。 【目次概要】 PartⅠ プロダクトの成功 PartⅡ プロダクトを育てる PartⅢ ステークホルダーをまとめ、プロダクトチームを率いる PartⅣ プロダクトの置かれた状況を理解する PartⅤ プロダクトマネージャーと組織の成長 PartⅥ プロダクトマネージャーに必要な基礎知識 PartⅠ プロダクトの成功 Chapter1プロダクトの成功とは Chapter2プロダクトマネージャーの役割 Chapter3プロダクトマネージャーの仕事とスキルの全体像 PartⅡ プロダクトを育てる Chapter4プロダクトの4階層 Chapter5 プロダクトのCore Chapter6 プロダクトのWhy Chapter7 プロダクトのWhat Chapter8 プロダクトのHow PartⅢ ステークホルダーをまとめ、プロダクトチームを率いる Chapter9 プロダクトマネージャーを取り巻くチーム Chapter10 チームとステークホルダーを率いる Chapter11 チームでプロダクトをつくるためのテクニック PartⅣ プロダクトの置かれた状況を理解する Chapter12 プロダクトステージによるふるまい方の違い Chapter13 ビジネス形態によるふるまい方の違い Chapter14 未知のビジネスドメインに挑む Chapter15 技術要素の違いによるふるまい方の違い PartⅤ プロダクトマネージャーと組織の成長 Chapter16 プロダクトマネジメントと組織 Chapter17 プロダクトマネージャーのスキルの伸ばし方 Chapter18 プロダクトマネージャーのキャリア PartⅥ プロダクトマネージャーに必要な基礎知識 Chapter19 ビジネスの基礎知識 Chapter20 UXの基礎知識 Chapter21 テクノロジーの基礎知識 付属データは、まだ公開されておりません。今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。 正誤表、追加情報をご確認の上、 こちら よりお問い合わせください 本書籍に関する利用許諾申請は こちら になります

プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで | 翔泳社

書籍にも記載した、日々の業務をふりかえるためのセルフチェックリストもご活用ください。

プロダクトマネージャーのためのセルフチェックリスト

📝 プロダクトマネジメントクライテリアとは?

プロダクトマネジメントを体系化したクライテリアです。企業がプロダクトを成功に導くために必要な要素を多角的かつ具体的に記載してあります。対象はプロダクトマネージャー個人ではなく、プロダクトを取り巻くチームとし、プロダクトマネジメント全体をスコープにしています。

このクライテリアは一般社団法人 日本CTO協会が作成する『DX Criteria 「2つのDX」とデジタル時代の経営ガイドライン』 のフォーマットを参考に作成されています。本クライテリアはプロダクトをつくる組織を対象にしておりますが、デジタル技術の活用やソフトウェアエンジニアリング組織の健全な成長に関してはDX Criteriaも推奨します。

👨🏻‍🎓 作成者の紹介

  • @及川卓也
  • @Haruki Sonehara
  • @kumiko koshiro

✉️ 問い合わせ先

小城久美子 koshiroKumiko@gmail.com